五郎の山だより 其の弐

 「五郎の山だより」 槍ヶ岳見聞録つづきをお伝えいたします。

 初日の朝から雨にタタラれ、沢越え時の増水はなかったものの景色はなく、"鳥も通わぬ滝谷" も霧のかなた・・・

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 <滝谷出合> この上部が数々のドラマを生んだ天下の岩壁 "滝谷"。

 カッパに打ち付ける雨音と靴音だけにうつむきがちな山行にも、ひっそりと “誇らしげ” に咲く高山植物の花達には時として心洗われる思いがします。

 槍平小屋の手前ではキンポウゲの鮮やかな黄色がお出迎えで、シナノキンバイやハクサンイチゲ、クロユリ、そしてコイワカガミのピンクには心がなごみます。

 キバナシャクナゲやハクサンイチゲなどは尾根付近で満開を迎えていました。

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 キバナシャクナゲは今が見ごろ <槍ヶ岳山荘近くで撮影>

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咲き誇るハクサンイチゲと、これから開花のミヤマオダマキはツボミのうちから紫色

 夕刻の一時、雨がやみ薄日がさすほどになると槍の穂先が顔を出し(前回の写真)、一同色めき立ちカッパを着込んで登攀準備をしだす者も出始めました。
 私もカメラ片手に山荘備え付けのサンダルをつっかけ撮影だけはしたものの、そこは俗人である悲しさ、チキンのいいにおいに誘われ、さっさと登頂はあきらめてカメラも放り出し、イの一番に食堂に並んだのでした。
 
 あくる日は未だ止まぬ雨に皆朝は遅く、私もグズグズと下山を遅らせ機会を待ちましたがもはやあきらめ、下り始めたところへ周りの歓声に振り返ると、槍の穂先が顔を出していました。

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 拡大すると
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   <槍沢から見る "見返り槍"。 右に見える小屋は殺生ヒュッテ>
<登時に見ると、今(ちょっと前?)話題のスカイツリーよりもそびえ立つ偉峰>

 雪渓での雪の感触を楽しみながら下っていくと、大雨のあとか雪解けの今にしか見られない幻の滝が目に入ってきました。
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    <天狗原 氷河公園から落ちる三本の滝(右側が一番大きい)>

 今年のナナカマドは花も多く、また何といってもベニバナイチゴの高級ワインを思い起こさせる赤紫が、飛騨沢と槍沢ともに多くみられ、甘酸っぱい実りの秋が楽しみです( ※ 国立公園内なので食べられません。念のため)。
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  <ナナカマドの白い花 今は標高2700m付近で多く咲いています>

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           <緑に映える赤紫のハイマツの花>
 
 東斜面の槍沢は西陽のあたる飛騨沢よりも雪解けが遅く、この時期にもまだ雪渓が多く残ります。とはいえ、雨でクサレ雪となったそれは重い山靴に心地よく、持参したアイゼンも必要ありません。せっかく持ってきたのでピッケルは雨で緩んだ雪切りの補修に使うことにました。
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でも、油断すると・・・・!
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 <スノーブリッジ>雪渓の内部が先に解け、中空になった危険個所

 ルートから外れなければスノーブリッジを踏み抜く心配もありません。ご安心を! 
 
 楽しかった山道を終え横尾に着いてみると、そこは夏休みの土曜日、たくさんの入山者が待っていました。
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 さて、ここから先は落っこちる心配もない林道歩き。のんびりと帰ることにしますか....。

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           <徳沢で見かけたタテヤマウツボグサ>

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          <アザミにやってきたモンシロチョウ>

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<河童橋>この日も最後まで雨。穂高の吊尾根も見えませんでした.......(涙)
                                              <五郎>

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